城山公園エリアのパブリックアート
最終更新日:令和5年6月27日
博物館本館へのアプローチ「彫刻の径」をはじめ、城山公園内には多くの彫刻作品が設置されています。
城山公園へのアクセスはこちらをご覧ください。
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1.《こだま》山本 正道
作家名:山本 正道(やまもと まさみち)
作品名:こだま
設置年:1983年
寸 法:H870×W400×L450mm
素 材:ブロンズ
山本正道(1941~)は京都市生まれ。東京芸術大学彫刻科卒業後、イタリア政府給費留学生としてローマ美術学校のファッツィーニの教室で学びました。第5回平櫛田中賞、第31回中原悌二郎賞などを受賞。1995年東京芸術大学彫刻科教授(2009年退任)。2005年紫綬褒章受章。
山下公園の「赤い靴はいてた女の子像」(横浜市)や旧富士銀行のアメリカ同時多発テロ犠牲者のための慰霊碑(東京・大手町)など、パブリックアートも多く手がけています。また、幼少期を岩井で過ごしており、南房総市の岩井駅に設置されている八房と伏姫の像も制作しています。父の正年も陶芸家として活躍しました。
2.《水着の女》伊東 傀
作家名:伊東 傀(いとう かい)
作品名:水着の女
設置年:1983年
寸 法:W2000×W400×L410mm
素 材:ブロンズ
伊東傀(1918~2009)は現在の東京都新宿区生まれ。東京美術学校彫刻研究科修了。新制作派協会展新作家賞、協会賞などを受賞します。東京芸術大学美術学部教授のほか、沖縄県立芸術大学設立に早くから関わり、美術工芸学部長などを歴任、名誉教授となっています。
初期にはロダンに学んだアカデミックな人体表現を得意としましたが、その後は海外の現代作家に触発された簡略化された具象表現となり、第3期には対象の写実を離れた量塊としての構成が見られ、それ以後は構成的な傾向が強まっていきました。道化師、水着の女、鳥、ふくろうをモティーフとした作品で知られています。
3.《動》大国 丈夫
作家名:大国 丈夫(おおくに たけお)
作品名:動
設置年:1983年
寸 法:H870×W2000×L1500mm
素 材:ブロンズ
大国丈夫(1924~2014)は大阪府大阪市生まれ。東京美術学校塑像部卒業、東京芸術大学彫刻科卒業。1956年新制作協会展新作家賞を受賞。1962年杉野女子短期大学生活芸術科教授(~1989年)。
1974年に千葉県内有志と彫刻グループ「歩会」を結成し、千葉県立美術館で第1回展。1986年には千葉県美術会常任理事となり、千葉県から美術文化部門の教育功労者として表彰されています。また、1999年地域文化功労者として文化庁から表彰、2002年勲五等瑞宝章を受章しています。
4.《地を這うものども》山崎 英五
作家名:山崎 英五(やまざき えいご)
作品名:地を這うものども
設置年:1983年
寸 法:H650×W1200×L620mm
素 材:黒御影石
山崎英五(1947~1982)は千葉県館山市北条生まれ。県立安房高校卒業、東京芸術大学美術学部彫刻科卒業、同大学院美術研究科修了。大学では同じ彫刻の径に設置されている「飛天」の作者でもある菊池一雄名誉教授の指導を受けました。代々木ゼミナールの造形学講師をしながら制作活動を続け、新制作協会展で新作家賞を受賞しました。
1980年には新設された市立第三中学校玄関前広場に「黎明」が設置され、1982年には文化庁第16回現代美術展に作品が出品されました。「地を這うものども」のシリーズは千葉県立美術館にも設置されています。将来を期待されていましたが、1982年に34歳で急逝しました。
5.《光と風と夢(共同作品)》青木 三四郎/酒井 良/下川 昭宣
作家名:青木 三四郎(あおき さんしろう)
酒井 良(さかい りょう)
下川 昭宣(しもかわ あきのぶ)
作品名:光と風と夢(共同作品)
設置年:1983年
寸 法:H2500×W2700×L4000mm
素 材:黒御影石
青木三四郎(1947~)は千葉県千葉市生まれ。東京芸術大学美術学部彫刻科卒業、同大学大学院修了。新制作展新作家賞受賞。県内では船橋市や習志野市、千葉県立美術館に作品が設置されています。
酒井良(1950~)は長野県生まれ。東京造形大学美術学部彫刻専攻卒業。新制作協会展新作家賞受賞、千葉県展に初出品し知事賞受賞、千葉県展文部大臣奨励賞受賞、第1回現代日本具象彫刻展大賞受賞。千葉県立青葉の森公園や千葉県立美術館などに作品が設置されています。
下川昭宣(1949~)は愛知県生まれ。東京芸術大学美術学部彫刻科卒業、同大学大学院美術研究科彫刻専攻終了。修了作品は芸大が買い上げました。新制作作家展新作家賞、サロン・ド・プランタン賞受賞、安田火災海上保険株式会社野外彫刻作品コンペ佳作賞受賞。 石彫作品《羚羊》は文化庁が買い上げました。元金沢美術工芸大学教授。
6.《道標・鴉》柳原 義達
作家名:柳原 義達(やなぎはら よしたつ)
作品名:道標・鴉
設置年:1983年
寸 法:H560×W800×L300mm
素 材:ブロンズ
柳原義達(1910~2004)は兵庫県神戸市生まれ。東京美術学校彫刻科で東洋のロダンと呼ばれた朝倉文夫の指導を受けます。1939年には佐藤忠良・舟越保武らと新制作派協会彫刻部創立に参加し、高村光太郎賞、中原悌二郎賞大賞など受賞します。1970年から日本大学芸術学部主任教授、1996年文化功労者。
動物愛護のためのモニュメントを制作したことをきっかけに、鳩や鴉をモチーフとした道標シリーズに取り組みました。自宅でも鳩を飼育していたようです。東京国立近代美術館にも多くの作品が所蔵されており、三重県立美術館内には、柳原義達記念館があります。
7.《慈・愛・訓の像》一色 邦彦
作家名:一色 邦彦(いっしき くにひこ)
作品名:慈・愛・訓の像
設置年:1983年
寸 法:H1600×W700×L800mm
素 材:ブロンズ
一色邦彦(1935~2022)は東京生まれ、茨城県土浦市育ち。東京芸術大学彫刻科卒業、同大学大学院彫刻科専攻科修了。第9回高村光太郎賞、第2回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で宇部市野外彫刻美術館賞、第1回彫刻の森美術館大賞展、第4回中原悌二郎賞優秀賞。
1988年には東京証券取引所壁面レリーフ「集いのとき」が設置され、1989年仙台市彫刻のあるまちづくり事業として「季の杜に」が設置されました。ゆかりのある茨城県内にも多くの野外彫刻作品が設置されています。また、土浦市内にある「一色家住宅」は国の登録有形文化財になっています。
8.《人魚》佐藤 忠良
作家名:佐藤 忠良(さとう ちゅうりょう)
作品名:人魚
設置年:1990年
寸 法:H1170×W500×L270mm
素 材:ブロンズ
佐藤忠良(1912~2011)は宮城県生まれ。東京美術学校卒業後、柳原義達や舟越保武らと新制作派協会彫刻部創立に参加しました。1944年に兵役に招集、終戦後のシベリアでの抑留生活を経て帰還後に制作を再開しました。東京造形大学教授。
1981年には、パリの国立ロダン美術館で日本人初の個展を開催。 その功績により、フランス・アカデミー・デ・ボザールの客員会員に推挙されるなど、国際的にも高い評価を得ています。ベストセラー絵本『おおきなかぶ』の原画作者としても知られています。
9.《シオン》舟越 保武
作家名:舟越 保武(ふなこし やすたけ)
作品名:シオン
設置年:1989年
寸 法:H1200×W300×L300mm
素 材:ブロンズ
舟越保武(1912~2002)は岩手県生まれ。東京美術学校彫刻科卒業後、柳原義達や佐藤忠良らと新制作派協会彫刻部創立に参加しました。長男が生後間もなく急死したことをきっかけに洗礼を受け、カトリックに帰依します。東京芸術大学教授、多摩美術大学教授。1999年文化功労者。
1987年に脳梗塞で倒れ半身不随となった後も彫刻を続け、死の直前まで作品を作り続けました。大学で出会った佐藤忠良とは終生の友情を結ぶとともに、よきライバルとして戦後の彫刻界を牽引しました。岩手県立美術館に多くの作品が収蔵されています。次男の舟越桂も日本を代表する彫刻家です。
10.《飛天》菊池 一雄
作家名:菊池 一雄(きくち かずお)
作品名:飛天
設置年:1983年
寸 法:H800×W1800×L450mm
素 材:ブロンズ
菊池一雄(1908~1984)は京都市生まれ。東京大学文学部美学美術史科卒業後、渡欧し、パリでシャルル・デスピオ、ロベール・ブレリックに師事、翌年のサロン・ドートンヌ展に「花束」が入選します。帰国後は京都に拠点を移し、京都市立美術専門学校彫刻科教授に就任します。また、著書『ロダン』で毎日出版文化賞を受賞しています。
その後は東京芸術大学教授として彫刻を指導し、館山市出身の山崎英五も指導を受けました。戦後の具象彫刻を代表する作家の一人であり、三宅坂小公園の「平和の群像」、広島平和公園の「原爆の子の像」などの作品があります。鶴谷八幡宮の「水田三喜男像」も菊池の作品で、城山公園の「彫刻の径」の設計指導も担当しました。
11.《月に吠える'89》手塚 登久夫
作家名:手塚 登久夫(てづか とくお)
作品名:月に吠える'89
設置年:1989年
寸 法:H1000×W460×L330mm
素 材:黒御影石
手塚登久夫(1938~2015)は栃木県上都賀郡今市町(現日光市)生まれ。東京芸術大学の卒業制作がサロン・ド・プランタン賞受賞。東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。東京芸術大学美術学部彫刻科の教授を2006年までつとめました。
「月に吠える'89」をはじめ、作品の多くは「梟」をモチーフとしており、これは、少年の頃、絵画を学んでいた先生が梟を育てており、手塚氏が一緒に世話をした思い出によるとのことです。現在、生家は「日光市ふくろうの森 手塚登久夫石彫館」として公開されています。市内では、中央公園にも「田園の風よ」が設置されています。
※博物館本館エントランスホール内
※博物館本館エントランスホール内
12.《風の肖像》中島 幹夫
作家名:中島 幹夫(なかじま みきお)
作品名:風の肖像
設置年:1983年
寸 法:H1850×W950×L770mm
素 材:白御影石・ガラス
中島幹夫(1933~2017)は岐阜県下呂市生まれ。東京芸術大学美術学部彫刻科の卒業制作が芸大に買い上げられました。 東京芸術大学専攻科修了後、新制作展新作家賞受賞。東京芸術大学非常勤講師、千葉大学工学部非常勤講師、日本大学生産工学部非常勤講師などをつとめました。
神奈川県立近代美術館葉山館に野外彫刻が設置されており、2006年頃からは山口県周南市の大津島にアトリエを構え、創作活動を続けました。
※博物館本館屋外展示場
13.《モニュメント 光と風と夢》澄川 喜一
作家名:澄川 喜一(すみかわ きいち)
作品名:モニュメント 光と風と夢
設置年:1986年
寸 法:H8000×W5000×L5000mm
素 材:チタン合金・白御影石
澄川喜一(1931~2023)は島根県生まれ。東京芸術大学美術学部彫刻科卒業。1970年代後半から「そりのあるかたち」シリーズの制作にとりかかります。1981年から東京芸術大学教授をつとめ、1995年からは学長となるなど、教育者としても多大な業績を残しています。
東京湾アクアラインの川崎人工島「風の塔」の制作や東京スカイツリーのデザイン監修を務めるなど、野外彫刻・環境造形を多数手がけ、全国各地に約100点もの野外彫刻が設置されています。文化功労者に顕彰され、1998年紫綬褒章、1999年紺綬褒章、文化功労者、文化勲章などを受賞しています。
14.《オーロラ(氷窒素の柱)》小林 亮介
作家名:小林 亮介(こばやし りょうすけ)
作品名:オーロラ(氷窒素の柱)
設置年:1989年
寸 法:H2970×W400×L400mm
素 材:黒御影石
小林亮介(1946~)は長野県生まれ。東京芸術大学大学院修了。二科展の会員として、毎年作品を出品し、文部科学大臣賞をはじめ数々の賞を受賞しています。
城山公園芝生広場に設置されている「オーロラ」も二科展出品作品です。
15.《風の形(フォルム)》須藤 博志
作家名:須藤 博志(すどう ひろし)
作品名:風の形(フォルム)
設置年:1988年
寸 法:円の部分 H1080×W1150mm 台座 H1200×W100×L1630mm
素 材:白御影石
須藤博志(1947~2015)は高知県生まれ。新制作展新作家賞受賞、調布市野外彫刻コンクール優秀賞、足立区野外彫刻コンクール入選、ダンテ国際彫刻ビエンナーレ特別賞などを受賞しています。
石を素材に、幾何学的な形体を主軸とする作品を制作しています。タイトルに「風」がついた作品を数多く手がけています。また、東京造形大学や文星芸術大学などで講師もつとめました。
※《風の形(フォルム)》は以下のページ内「城山公園ガイドマップ」の「(6)つつじ園」と書かれたあたりにあります。山頂に向かう途中で見ることができます。
石を素材に、幾何学的な形体を主軸とする作品を制作しています。タイトルに「風」がついた作品を数多く手がけています。また、東京造形大学や文星芸術大学などで講師もつとめました。
※《風の形(フォルム)》は以下のページ内「城山公園ガイドマップ」の「(6)つつじ園」と書かれたあたりにあります。山頂に向かう途中で見ることができます。
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