田園風景が続く九重地区は、数多くの遺跡が残る歴史の里
でもあります。安藤を中心に水岡、宝貝などには、南北朝時
代前後のやぐらや石仏、仏像などが残され、有力な豪族が活
動していたことがわかります。
 やぐらは、鎌倉時代中期から南北朝時代にかけて、鎌倉を
中心に武士階級の墓としてつくられたものです。なかでも、
水岡のやぐらは高さ1.5メートルの大きなもので、鎌倉文
化が安房にも強い影響をあたえていたことがわかります。
 やぐらの中の壁には、17の五輪塔が彫ってあったり、焼
いた骨を納める穴があります。