【市指定天然記念物】六軒町のサイカチの木(指定解除)

最終更新日:令和2年3月19日


館山市教育委員会は、令和2年3月19日付けで館山市指定天然記念物「六軒町のサイカチの木」の指定を解除しました。

「六軒町のサイカチの木」は、JR内房線館山駅から中央公園に向かう道、館山市図書館の50m手前の十字路の塀際に立つ巨木です。元禄地震の際の津波から地域の人々を救ったという伝承があり、人々に親しまれている古木で、平成26年2月26日に館山市指定天然記念物に指定されていましたが、令和元年9月9日に房総半島を通過した令和元年房総半島台風(台風15号)により倒伏しました。

その後、調査や応急処置を行い、現状のまま保存する方法を検討しましたが、最終的に「現状のままの樹形を維持しながら保護することは難しく、被害を受けた現状と所有者の意向を考えると指定解除はやむを得ない。」との館山市文化財審議会(令和2年2月21日開催)の答申を受けて、3月19日の定例教育委員会で議決し、同日指定解除されました。
 

指定名称

六軒町のサイカチの木
(ろっけんちょうのさいかちのき)

種別

市指定天然記念物

指定日

平成26年(2014)2月26日
令和2年(2020)3月19日指定解除

所在地

館山市北条1754

所有者

個人

概要

【形状・寸法】
樹高 7m82cm
主幹胸高(1.2m)周囲 3m93cm
枝下高 2m60cm
根元高20cmの周囲 4m93cm
枝張 東2.20m、西4.70m、南2.43m、北1.80m

サイカチは、マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の落葉高木です。日本の固有種で、本州、四国、九州の山野や川原に自生します。実などを利用するために、栽培されることもあります。

六軒町のサイカチの木は、JR内房線館山駅から中央公園に向かう道、館山市図書館の50m手前の十字路の塀際に立ち、幹の大半が市道に露出しています。幹は、地際から3.5mほどの高さまで、落雷によるものと伝えられる大きな空洞がありますが、内部の炭化が心材の腐朽を防いでいます。また、下部の大枝が損傷し、上部の大枝に枯枝があるほか、中央から下部の中枝に枯枝が認められますが、幹の南東部に発達したカルス(癒合組織)が形成されていて、樹勢を保っています。

元禄16(1703)年の元禄地震で津波が襲った際、人々はこの木に登って命を救われたという伝承が残っています。明治時代には、「オカマの腰掛け」(サルノコシカケか)が多数着生し、リュウマチの治療薬としてもてはやされたといいますが、現在キノコ類の付着は見られません。また、サイカチの木は2本あったうちの1本が、大正12(1923)年の関東大震災の時に倒れたと伝えられ、サイカチの幹で作られた火鉢が残されています。

市内におけるサイカチの巨樹であり、形態が優れていること、震災から地域の人たちを救ったという伝承があり地域の人々に親しまれている古木であること、所有者を代表としたサイカチの木を守る会が組織されており、地元町内会の存続への理解があることが評価され、「六軒町のサイカチの木」として平成26年2月26日に指定されました。
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教育委員会教育部生涯学習課文化財係 住所:〒294-0045 千葉県館山市北条740-1 館山市コミュニティセンター内
電話:0470-22-3698
FAX:0470-22-6560
E-mail:syougaigaku@city.tateyama.chiba.jp
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