【県指定有形文化財】木造如来形坐像

最終更新日:令和6年1月10日

指定名称

木造如来形坐像
(もくぞうにょらいぎょうざぞう)

種別

千葉県指定有形文化財《彫刻》

指定日

昭和61年(1986)2月28日

所在地

館山市大神宮704

所有者

千祥寺(館山市立博物館保管)

概要

像高は73.8cmでヒノキの一木造りです。頭部の螺髪(らほつ)は大粒に刻み、髪際が眉尻近くまでおりています。頬や口元はひきしまった丸顔で、眉が長く、細い目もややつり上がり気味ですが、静かな表情をしています。像の姿は肩を張って上半身が大きく、胸が豊かで、腹から腰の重量感あふれる肉取りがそれを支えるように表現されています。脚は横に張っているものの、低くて上半身とのバランスに欠けていますが、足や裳先のつくりから脚と上半身は同時代の形式であることがわかります。両手首の先が後補で印相が不明だったため、像の名称がわかりませんが、昭和62(1987)年の修理に際して手首がはずされた状況から、五智如来のうちの宝生如来であろうと推定復元されました。

一木造特有の量感に富む表現が見られ、平安時代初期の彫刻の面影を残していますが、静穏な表現に向かいつつあった10世紀から11世紀初め頃の中央様式の反映をみることができ、11世紀前半の作品と考えられます。

この仏像を伝える千祥寺は、廃寺となった日祥院と千歳寺が合併した寺で、どちらかの寺院にあったものといわれています。また、安房神社に近いことからこの仏像と神社が関係あるのではないかと指摘する声もあります。
このページについてのお問い合わせ
教育委員会教育部生涯学習課文化財係 住所:〒294-0045 千葉県館山市北条740-1 館山市コミュニティセンター内
電話:0470-22-3698
FAX:0470-22-6560
E-mail:syougaigaku@city.tateyama.chiba.jp
このページについて
ご意見をお聞かせください
このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?
このページの内容は参考になりましたか?