【市指定史跡】やぐら(水岡やぐら群)

最終更新日:令和5年10月10日

指定名称

やぐら

種別

市指定史跡

指定日

昭和56年(1981)10月21日指定

所在地

館山市水岡413

所有者

個人

概要

「やぐら」は、鎌倉を中心とした地域に集中的につくられた、中世の武士・僧侶階級の納骨所・供養施設です。山腹を方形にくりぬき、壁は垂直、床と天井は水平で、床面に納骨穴が掘られ、その上に五輪塔などの供養塔が安置されています。

東京湾を挟んだ房総半島南部にも、数多く分布しており、なかでも、富津市、南房総市の旧丸山町・富浦町・三芳村、そして館山市の九重地区に濃密な分布が見られます。なかでも水岡には、丘陵中腹の崖面を掘りこんだ、間口2m、奥行1.8m、高さ1.5mの大きなやぐらがあります。壁面には17基の五輪塔が供養のために浮彫りされていて、さらに奥壁中段には、火葬骨を葬った穴があり、特色のあるものですが、もともとは古墳時代末期につくられた横穴墓を、中世にやぐらとして再利用したものです。またこの周囲にも数基の横穴墓がありますが、やぐらとして転用された痕跡はありません。

房総にやぐらが数多く存在する理由として、武士階級のつながりや鎌倉寺社領の広がり、東京湾の海上交通などが考えられます。房総のやぐらは、古墳時代の横穴墓を中世に転用した例が極めて多く、中世の房総の人びとが、やぐらを掘る手間を省く合理的な精神を持っていたのではないかと推測させるほどで、この地域のやぐらの総数の半数近くが、横穴墓を転用しています。また、やぐらが密集する地域が、鎌倉の寺社領と重なっていることが、文献資料から知られています。

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