【市指定史跡】大寺山巌窟墓及び出土品等
最終更新日:平成24年4月26日

指定名称
大寺山巌窟墓及び出土品等
(おおてらやまがんくつぼおよびしゅつどひんとう)
(おおてらやまがんくつぼおよびしゅつどひんとう)
種別
市指定史跡
指定日
昭和47年(1972)1月21日
所在地
館山市沼1131
所有者
総持院
概要
【遺跡の立地】
副葬品の年代から、約250年間洞穴が墓として使用されたことがわかっています
第1期埋葬期-5世紀前半
第2期埋葬期-5世紀後半
第3期埋葬期-6世紀前半
第4期埋葬期-6世紀後半
第5期埋葬期-7世紀前半
【舟葬墓の特色】
- 大寺山洞穴遺跡は、館山市沼字大和田東にあり、沼の大寺と称される総持院境内の裏山にあります
- 洞穴の開口部は西側にあり、3つの洞穴の前面には平地が広がり、ここから館山湾を一望することができます
- 洞穴付近の地質は、凝灰岩質泥岩というやわらかい層からなっていて、この海食洞穴は約6,000年前の「縄文海進」時に、波の浸食作用によって形成されたものと考えられています
- 平成5年から10年度まで7次にわたり実施した発掘調査により、12基以上の古墳時代の舟棺を確認しました
- 舟棺は、いずれも洞穴の南側壁沿いに一部重なり合って並べられ、舳先は開口部(海)に向けて置かれていました
- 舟棺は、丸木舟を転用したものと考えられています
- 舟棺は、スギの木が使われています
- 土師器・須恵器などの土器
- 甲冑・大刀・剣・刀子・斧などの鉄製品
- 管玉・勾玉・耳環などの装身具
- 漆塗りの弓・漆塗りの盾などの木製品
- 銅製鈴・鹿角製刀装具 など
副葬品の年代から、約250年間洞穴が墓として使用されたことがわかっています
第1期埋葬期-5世紀前半
第2期埋葬期-5世紀後半
第3期埋葬期-6世紀前半
第4期埋葬期-6世紀後半
第5期埋葬期-7世紀前半
【舟葬墓の特色】
- いずれの副葬品も、東国の大型古墳から出土するものと比べて内容的に遜色ありません。これらの副葬品が海食洞穴墓から出土している例はなく、当時の流行であった「古墳」を築造することなく、独自の墓制を守り続けた集団の姿が浮かび上がってきます
- なかでも、三角板革綴短甲、横矧板鋲留短甲、歩揺付金銅製品、銅製鈴、漆塗りの木製盾は、東国の古墳の中でも貴重な出土例です
- 「舟葬」という葬送儀礼を確認できたはじめての遺跡であり、古墳時代に海を意識した他界観が形成されていたことを示す資料として貴重なものです
- 副葬品をみると畿内政権との関連が強く認められ、生業基盤を海に求め、海上交通を支配した海人集団の墓であると考えられます
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