(県指定)房総のミカリ習俗

最終更新日:平成24年4月26日

千葉県による記録選択文化財(無形民俗文化財)「房総のミカリ習俗」


《県記録選択文化財(無形民俗文化財)》

房総のミカリ習俗(ぼうそうのみかりしゅうぞく)


【県選択】 平成8年3月22日

【伝承地】 館山市洲宮神社、南房総市白浜町下立松原神社、君津市諏訪神社

【説明】

(1)洲宮神社のミカリ祭現況

 洲宮神社のミカリ祭りは、普段は「ミカリ」と呼ばれ、神社の行事としては「御狩(おみかり)祭(さい)」と表記されます。毎年11月27日が初日「イチノビ」で、12月3日までの一週間にわたっておこなわれています。本来は、旧暦の11月27日から9日間がその期間でしたが、現在はイチノビに限り、神事がいとなまれるだけです。イチノビの午前中に、旧戸の30数戸を中心に新戸の20戸ほどを加えた約50戸の氏子が三々五々、洲宮神社にお参りに行きます。氏子たちは千円の初穂料を出し、それで一年の祭りの費用を賄っていますが、昭和の末年までは、各戸が二升ずつの米を持ち寄り、一年間の祭りの際に用いたといいます。午後3時過ぎ、社殿のなかで一通りの神事が行われ、その後に境内の西の隅、西に向けて竹に幣束をはさんで立て、米と塩と御神酒をまいて清めます。

(2)昭和10年代以前の洲宮神社ミカリ祭の様子

 昭和12・13(1937・38)年頃までは、境内に別棟の籠もり屋があり、イチノビに若い衆が集まりお籠もりをしましたが、この建物がなくなってからは、おこなわれなくなったといいます。また、昭和10年前後までは、イチノビに、ウルチ米にササゲを混ぜ、塩気のない粥を炊いて参詣者にわけ、これを食べると風邪をひかないとされましたが、現在ではほとんど忘れられています。

(3)今も物忌みの残る洲宮神社のミカリ

 洲宮神社の特徴は、物(もの)忌(い)みという習慣が今も守られていることです。物忌みとは、普段の暮らしとは違いいろいろな行いを慎むことで、イチノビにはワラや竹、ほうきを触ってはいけません。昔は牛馬の餌となるワラを事前に刻んでおき、あらかじめ家の内や外を掃いておいたといいます。また、洗濯をしないという家もあります。ミカリの期間を通じて、女性は針仕事をしてはならず、針を持つと手が腫れるとされ、特に厳しく戒められていましたが、生活様式の変化によって、現在では生活への影響は少なくなっているようです。
しかし今日でも、イチノビの11月27日に、勤め人が仕事に出かけることがあっても、農業にたずさわる人は、田畑にでることはありません。稲作中心の昔は、この時期に農作業はさほどありませんでしたが、花作りやレタスの栽培が盛んな現在は忙しい時期です。それでもこの日は、洲宮の畑に人影は全くありません。現在でもイチノビに、むやみに田畑に出てはいけないという習慣が守られているのです。
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