公民館とは…(公民館ってどんなところ?)

最終更新日:平成28年3月30日

公民館とは…

※このページは文部科学省で公開しているパンフレットを参考にして作成しています。文部科学省のパンフレットは《ここをクリック》PDF)するとダウンロードできます。


公民館は、地域住民のために社会教育に推進する拠点施設として中心的な役割を果たしています。また、公民館は仲間同士が「つどう」「まなぶ」「むすぶ」ことを促し、人づくり・地域づくりに貢献しています。
 
「つどう」
公民館は、生活のなかで気軽に人々が集うことができる場です。
 
「まなぶ」
公民館は、自ら興味関心に基づいて、また社会の要請にこたえるための知識や技術を学ぶための場です。
 
「むすぶ」
 公民館は、地域のさまざまな機関や団体の間にネットワークを形成します。
 
公民館は、住民同士が「つどう」「まなぶ」「むすぶ」ことを即し、人づくり・地域づくりに貢献しています。

公民館の位置づけ

公民館は、教育基本法社会教育法により、日本の教育法体系のなかに位置づけられています。
 
教育の目的
教育基本法では、教育の目的は、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」とされています。さらに、社会教育については、「個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。」とされています。(教育基本法 第1条、第12条第1項)
 
社会教育の定義
社会教育法では、社会教育とは、「学校教育法(略)に基き、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)」と定義されています。(社会教育法 第2条)
 
公民館の目的
公民館の目的として、「公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与すること」が掲げられています。(社会教育法 第20条)
 
公民館の設置
「公民館は、市町村が設置する」とされており、定期講座の開設や、討論会・講習会・講演会等の開催、図書・記録・模型・資材等を備え、その利用を図ること、体育・レクリエーション等に関する集会の開催、各種団体・機関等との連絡、その施設を公共的利用に供すること等を行うとされています。(社会教育法 第21条第1項 第22条)
この市町村が設置する公民館のほかに、住民たちがお金を出し合って、集落ごとに公民館に似た機能を持つ施設を設置・運営している場合があります。このような公民館を「自治公民館」といい、全国公民館連合会が2002(平成14)年に実施した調査によると、全国で約7万の自治公民館の設置が報告されています。

運営

公民館は、社会教育法に基づき、市町村の社会教育行政の一部に位置づけられています。2003(平成15)年以降、地方自治体法の一部改正により指定管理者制度がうまれ、公民館の管理・運営にも導入されています。
※館山市中央公民館は直営で運営しています。

運営の原則
・地域性
公民館は、行政が地域住民のニーズを把握し、地域が抱える様々な教育課題への対応などについて、主導的に学習機会を企画し、自ら提供することができる地域の学習拠点です。
 
・教育専門性
すべての活動に、社会教育的な観点に基づいた専門的な配置がなされています。
 
・公共性
公民館は、年齢、性別、職業等を問わず、全ての人に開かれた場所として運営されています。
 
 
運営の特徴
・公民館運営審議会の設置
館長の諮問に応じて、公民館における各種の事業の企画実施について調査審議する機関として、地域住民の保護者、教師などの学校教育や社会教育の関係者、学識経験者等をメンバーとする公民館運営審議会を設置することができます。
 
館山市中央公民館運営審議会のページは《ここをクリック》
 
・運営に関する評価の実施
公民館は、当該公民館の運営について評価を行い、その結果に基づき、公民館の運営の改善を図るため、必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされています。
 
・運営に関する情報の提供
公民館は、当該公民館の事業に関する地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該公民館の運営に関する情報を積極的に提供するよう努めなければならないとされています。

予算
公民館の活動は、市町村の予算でまかなわれることが原則ですが、場合によっては、参加者から少額の負担(必要経費など)を徴収することもあります。
 
施設
公民館の建物の維持管理は市町村の責任のもとに行わなければなりません。
 
 
公民館の設置のための基準
公民館の健全な発展のために、公民館の設置運営上必要な基準が文部科学省によって定められています。現在の基準(2003(平成15)年告示)には、以下の事項が掲げられています。
 
公民館の設置及び運営に関する基準(平成1566 文部科学省告示第112号)《ここをクリック》
 
  • 対象区域
  • 地域の学習拠点としての機能の発揮
  • 地域の家庭教育支援の拠点としての機能の発揮
  • 奉仕活動・体験活動の推進
  • 学校、家庭および地域社会との連携
  • 地域の実情を踏まえた運営
  • 職員
  • 施設および設備
  • 事業の自己評価とその公開

職員

社会教育法において、公民館に置くべき職員(館長、公民館主事)とその職務内容についても規定されており、公民館の活動を維持・発展させる上で大きな役割を果たしています。
また、公民館の専門的機能の担保などのため、地方公共団体における社会教育行政の中核として、地域の社会教育行政の企画・実施及び専門的技術的な助言と指導を行う社会教育専門職員(社会教育主事)については、社会教育法に基づき、資格制度が設けられています。
※館山市中央公民館は、社会教育主事、公民館主事は配置されていません。(平成27年度現在)
 
公民館の職員の種類
公民館には、館長、公民館主事などの職員が配置されています。法律上、館長は、公民館の行う各種事業の企画実施等を行い、所属職員を監督し、公民館主事は、館長の命を受け、公民館の事業の実施にあたることとされています。このほかに非常勤の職員を置くこともできます。
 
採用
公民館の職員になるためには、市町村の職員(公務員)として採用される必要がありますが、指定管理者制度で運営される公民館職員の採用は、指定管理者が行っています。また、義務ではありませんが、公民館の職員となるにあたっては、大学等で社会教育に関する科目を履修することが望まれます。
 
研修
現職の公民館職員には、国、都道府県、市町村、全国公民館連合会、都道府県公民館連合会などの主催により、個別のテーマや経験年数ごとに、様々な研修機会が与えられています。
※館山市中央公民館の職員は千葉県公民館連絡協議会等主催の各種研修に参加しています。(平成27年度現在)
 

 
公民館職員の職務
公民館職員の主な職務は、次のとおりです。
 
 
社会教育主事
社会教育法に基づき、社会教育主事という資格制度が設けられています。この資格を得るためには、大学などで所定の単位を取得するか、文部科学省が実施する講習を受講することが必要です。
社会教育主事は、法律上、都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に必ず配置することとされています。その職務は、当該市町村内での社会教育活動に対する専門的技術的な助言と指導ですが、地域において関係者が連携して生涯学習・社会教育を推進するに当たって、社会教育関係者やその実施する活動において関係する地域の人材等の、連携のための調整を行い、さらに関係者の具体的な活動を触発していくコーディネーターとして、積極的な役割を果たすことが期待されています。
※館山市では公民館主事・社会教育主事は配置されていません。(平成27年度現在)

変化する社会と公民館の役割

現在の日本社会は、少子高齢化、情報化、環境問題への対応など、多くの社会的課題を抱えています。地域ごとの社会的課題に対応するため、公民館は関係する機関・団体をつなぎながら、それらお課題の解決を目指しています。
 
学校・家庭・地域の連携を促進する
地域全体で学校教育を支援する体制づくりを行う「学校支援地域本部事業」や、放課後や週末に安全・安心な子どもの居場所づくりを行う「放課後子ども教室推進事業」などの取組が全国で行われています。
こうした取組では、公民館の館長・職員が教育委員会や学校、地域ボランティアとの連携調整を担うこともあり、保護者や地域住民が積極的に参画しています。
 
社会の要請に応える
公民館は、裁判員制度、地域防犯、消費者教育、防災教育など、民間では提供されにくい分野の講座開設や、地域において支援を必要としている方への対応など、関係機関・団体と連携・協力しつつ、地域の課題解決に向けた支援を行い、地域における「公共」を形成するための拠点となっています。例えば、多くの公民館は、災害時の避難場所に指定されているため、避難所での暮らしを実際に体験することも目的として、宿泊型の訓練を実施している公民館もあります。

1946(昭和21年):公民館の創設と普及

地域住民の教え合い・学び合いや、自主的な学びの支援をコンセプトとする
社会教育施設=公民館が、世界で初めて、第二次世界大戦直後の日本に生まれました。文部省(当時)は、様々な政策により、その普及に努めました。
 
 
第2 次世界大戦終了直後の1946 年、文部省(当時)は、地域の人々が集い学ぶ拠点「公民館」の設立を全国に呼びかけ、設立を奨励しました。政府の呼びかけは、国民の新しい価値観である学習や生活改善のニーズに合致するものでした。当時は敗戦後の極めて貧しい時期でしたが、公民館は瞬く間に全国に普及し、社会教育施設として住民の間に定着しました。
 
 
普及が成功した背景には、次のような理由が挙げられます。
 
  • 公民館の位置づけや役割が教育基本法や社会教育法に明記され、公民館が制度化されたこと。
  • 設置運営基準の策定や、施設建設のための補助金の交付など、政府の適切な支援策が講じられたこと。
  • 公民館の業務に密接な関係がある社会教育専門職員の資格について国家資格制度が策定され、専門職員の養成、配置及び資質向上について体系的に施策が講じられたこと。
  • 公民館を拠点に活動を行う地域の社会教育関係団体の育成が図られたこと。

年表

1945
昭和20
第二次世界大戦終わる
 
文部省(当時)内で、公民館構想の検討はじまる
1946
昭和21
文部次官通牒により、「公民館の設置」の促進を奨励 
*「公民館」の理念が全国に初めて示された。
 
公民館設置促進中央連盟結成
*政府と民間との協力による公民館設置促進のための団体結成
 
寺中作雄著
『公民館の建設̶新しい町村の文化施設』 発行

*公民館の創案者である文部省社会教育課長寺中氏が、公民館のコンセプトを著す。
「日本国憲法」公布
1947
昭和22
「教育基本法」公布・施行
 
第1回優良公民館表彰が行われる
(以降毎年開催)

1947(昭和22)年は文部省(当時)後のもと社団法人生活科学協会と毎日新聞社が主催、1948(昭和23)年以降は文部省が主催している。
 
「公民館の歌」歌詞が、全国から寄せられた1,017 編の応募の中から選定される
1949
昭和24
「社会教育法」公布・施行
*公民館の法的な根拠が定まり、活動が法律に基づいて行われるようになる。
 
全国の公民館数、1万館を突破
1950
昭和25
政府による初の全国規模の公民館職員研修開催
 
政府による公民館補助金交付開始(1988(昭和63)年まで継続)
1951
昭和26
全国公民館連絡協議会(全国公民館連合会の前身)結成

*全国規模の公民館のネットワークが組織される。
1952
昭和27
公民館の全国大会が3日間にわたって初めて開催される(以降毎年開催)
1954
昭和29
第1回公民館優良職員表彰が全国公民館連絡協議会によって行われる(以降毎年開催)
公民館職員数が5万人を超える
1956
昭和31
『月刊公民館』創刊
*「公民館」の専門雑誌が初めて刊行される。(現在も刊行中)
1959
昭和34
「公民館の設置及び運営に関する基準」 文部省告示

*公民館の施設規模、対象区域、設備内容などの基準が定められる。
1960
昭和35
文部、大蔵( いずれも当時)両省間で「公民館未設置市町村解消10 カ年計画」を策定

*すべての市町村に少なくとも1館の公民館を設置する整備計画。
1967
昭和42
全国公民館連合会、「公民館のあるべき姿と今日的指標」の策定

*公民館職員自らが、時代に伴って変化しつつある公民館のあるべき運営をまとめる。
1979
昭和54
政府による公民館施設・設備費補助金が100 億円を突破
「公民館の設置及び運営に関する基準」改正
2006
平成18
「教育基本法」改正

*初めて「生涯学習」に言及がなされた。
2008
平成20
社会教育法」一部改正

*公民館の評価の実施等が盛りこまれた。
 

期待される公民館像

  • 地域の人たちが、社会教育をとおして、生涯にわたって強い自発性を持ち続けられるように支援する拠点
  • 環境問題や高齢化・情報化への対応など現代社会が直面する諸問題を、生活レベルの学習をとおして解決を促す地域の学習拠点
  • 社会教育をとおして、信頼感に満ちた互恵的な人間関係の形成を促し、豊かでうるおいのある地域を創造していく原動力
  • 社会教育施設はもとより、学校や家庭、ボランティア団体等と連携協力し、学習者の立場に立った学習環境を形成してゆくコーディネーター
  • 世界各国の公民館と連携し、多様で柔軟なネットワークの中で社会教育の発展に貢献する国際的ネットワークの中核機関
  
 
 
 
※公民館は、法律に基づいた、社会教育施設です。
 日本の「社会教育」は、「成人教育」「コミュニティ教育」及び子どもや青少年に対する「学校外教育・ノンフォーマル教育」を含みます。

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館山市中央公民館事業係 住所:〒294-0045 千葉県館山市北条740-1 館山市コミュニティセンター内
電話:0470-23-3111
FAX:0470-22-6560
E-mail:kouminkan@city.tateyama.chiba.jp
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